職業訓練受講給付金は限られた公費で運営されており、受給するための条件が10つあることから、審査が厳しい印象があります。

職業訓練受講給付金における審査の条件

実際に雇用保険の加入状況や本人の年収だけではなく、世帯全体の金融資産まで確認されるため対象者が限られてしまうのが難点です。

しかし、2023年4月には支給要件が緩和されて対象者が増加しており、今なら審査に柔軟な対応をしてもらえます。

在職者も職業訓練の対象に追加されたため、働きながらリスキリングをしたい人でも条件を満たせば経済的な援助が受けられます。

職業訓練受講給付金をもらうための具体的な条件は、以下のとおりです。

  • 雇用保険被保険者ではない、または失業給付の受給ができない人
  • 前月の本人月収が8万円以下
  • 世帯全体の収入が月30万円以下
  • 世帯全体の金融資産が300万円以下
  • 現在住んでいる土地以外で建物や土地を所有していない
  • 訓練実施日すべてに出席する
  • 定期的にハローワークに来所して職業相談を受ける
  • 同じ世帯に職業訓練受講給付金を受給する人がいない
  • 前回の職業訓練受講給付金の給付から6年以上経過している
  • 過去3年以内に不正行為によって給付金を受けた経歴がない

参照元: 求職者支援制度のご案内-阿見町

すべての条件を満たすと無料の職業訓練を受けながら10万円を受け取ることができ、ハローワークを通じて早期就職の支援をしてもらえる利点があります。

職業訓練受講給付金の仕組み

公的な給付金は審査が厳しいから受給できないと思っていた人でも、要件が緩和された今なら援助してもらえる可能性があるため、受給要件を確認して申し込みましょう。

この記事でわかること
  • 職業訓練受講給付金は受給要件が多いため審査が厳しい
  • 2023年から受給要件が緩和されたため受給できる対象者が多くなった
  • 職業訓練受講給付金をもらう条件は失業保険の適用を受けていないこと
  • 月収8万円以下で世帯月収が30万円以下の場合のみ給付金を受け取れる
  • 金融資産を証明するために本人や家族の通帳が必要になる
  • 職業訓練を一度でも理由なく欠席すると給付金の支給が停止される

この記事では、職業訓練受講給付金の審査難易度や10万円を受給してもらうための条件を解説しています。

職業訓練受講給付金を受給するまでの流れや制度の概要についても紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

目次

職業訓練受講給付金の審査は厳しい!理由は不正受給を防止するため

職業訓練受講給付金の審査が厳しい理由

職業訓練受講給付金の審査は、残念ながら厳しいのが実情になります。

職業訓練受講給付金の審査が厳しい理由は、職業訓練の申込者による不正受給を防止するためです。

不正受給があると職業訓練受講給付金の財源である国の税金や雇用保険などが無駄になり、管轄省庁の厚生労働省としても厳しく審査せざるを得ません。

職業訓練受講給付金の財源は,雇用保険の仕組みを使うため,国が2分の1,雇用保険被保険者である労働者と当該労働者を使用する使用者がそれぞれ4分の1ずつを負担する。

引用元: 第二のセーフティネットとしての特定求職者支援法-独立行政法人労働政策研究・研修機構

そのため職業訓練受講給付金を申請する際は、不正や不備がないように申し込みましょう。

国から不正受給とみなされると、給付金の一括返済だけではなく3倍にした金額の返還まで求められます。

例えば職業訓練受講給付金として10万円を不正受給すると、国に対して30万円の返還が必要です。

より悪質な不正受給の場合は詐欺罪の対象となり、希望している職種の就職や転職が難しくなります。

実際に職業訓練受講給付金の不正受給によって逮捕された事案があるため、前もって不正とみなされる行為を把握しておくことが大切です。

親から毎月のように仕送りを受け取っているにもかかわらず、月収として加算していないと職業訓練受講給付金の不正受給となります。

他にも職業訓練受講給付金を申し込む際に、金融資産や収入を偽装すると不正受給とみなされます。

金融資産や収入は隠してもバレる!本人名義の通帳はすべて申告が必要

職業訓練給付金における通帳の提出の仕組み

職業訓練受講給付金を申請する際は、ハローワークへ本人名義の通帳をすべて申告する必要があるため、金融資産や収入を隠してもすぐにバレてしまいます

申請者本人または同居配偶者等が保有する事前審査申請日の残高が50万円以上である全ての預貯金通帳または残高証明

引用元: 平成23年10月1日「求職者支援制度」がスタート!-厚生労働省

ハローワークへ通帳を申告すると、担当者の目視によって口座残高や入出金履歴の項目をひとつひとつ確認されるからです。

したがって職業訓練受講給付金を受給するために、金融資産や収入を隠したり少なく偽ったりしてはいけません。

ネットバンクを利用していることから通帳を申告できない場合でも、口座残高と入出金履歴がわかる印刷物を提出する必要があります。

タンス預金は通帳を提出してもバレないケースが多いものの、発覚すると3倍額の返還や刑事罰の可能性もあるため、正直に申告した方がよいでしょう。

他にもハローワークへ申告する通帳は、本人名義のものだけではなく、家族全員分の提示が必要です。

実家暮らしの人は家族全員分の通帳残高を提示しなければいけない

職業訓練受講給付金を受給する際に家族の通帳を提出する仕組み

実家暮らしで親が働いていたり、配偶者が収入を得ていたりする人は、家族全員分の通帳残高がわかる書類もハローワークへ提示しなければいけません。

ハローワークは申請者の世帯収入と金融資産を確認する必要があり、家族全員分の通帳を合算することで把握しているからです。

したがって世帯収入を受け取っている人が職業訓練受講給付金を申請する場合は、家族全員分の通帳を用意しましょう。

家族の通帳を提出する際は、原本を複写したものでよいことから、世帯収入が複数ある人は早めにコピーしておくのが最適です。

同居配偶者等の預貯金通帳を除き原本

引用元: 求職者支援制度があります!-泉大津市

原本を提出しても職業訓練受講給付金の審査は有利になりませんので、家族から通帳を借りたら速やかに返すのが望まれます。

審査が有利にならないケースは、親と同居したまま世帯分離するケースも挙げられます。

親と同居したまま世帯分離をしても審査で有利に働くことはない

職業訓練受講給付金における世帯分離の仕組み

親と同居したまま世帯分離を実施しても、職業訓練受講給付金の審査では有利に働かないようになっています。

世帯分離とは同じ家に住みながら2つ以上の世帯に分けることであり、役所に申請して認められると世帯収入を引き下げられます

そのため親の月収と合わせて世帯収入が月30万円を超えている人は、世帯収入を引き下げられる世帯分離を検討するかもしれません。

しかし職業訓練受講給付金においては、世帯分離を実施しても同じ世帯とみなされることから、世帯収入を引き下げられないのが実情です。

世帯分離・単身赴任中の配偶者・子・父母(義父母)も世帯とみなします。

引用元: 職業訓練のご案内-厚生労働省

そもそも世帯分離は親の介護費用や保険料などを軽減するために実施するものであり、本来の趣旨と異なる場合は役所から断られます。

世帯分離の届出を受理するときは、「世帯変更届出時申立書」(様式第1号)を提出させ、次に掲げる事項を審査しなければならない。
(1)住所の異動を伴うものでないこと。
(2)生計が全く別であること。
(3)法の目的に沿うものであり、この届出をすることにより不当な利益を得るものではないこと。

引用元: 大山町世帯変更届出時変更確認要綱-大山町

したがって、職業訓練受講給付金の受給を目的とする世帯分離は実施しない方がよいでしょう。

親と同居しているため職業訓練受講給付金の審査に通らない場合でも、職業訓練の合間にパートやアルバイトで働けば一定程度のお金を捻出できます。

一方で職業訓練受講給付金を受給している人が訓練期間中に働く場合は、雇用保険の観点から働きすぎに注意する必要があります。

働きすぎて雇用保険の加入条件を満たすと給付金の支給が停止になる

職業訓練受講給付金と労働時間の関係

職業訓練受講給付金を受給できた場合でも、訓練期間中に働きすぎて雇用保険の加入条件を満たすと給付金の支給が停止になります。

先述しているように、雇用保険を受け取れる人は職業訓練受講給付金を受給できないからです。

具体的には1週間の労働時間が20時間以上あり、加えて31日以上の雇用が見込まれると給付金が停止されます。

雇用保険の適用事業所に雇用される次の労働条件のいずれにも該当する労働者の方は、原則として全て被保険者となります。
1.1週間の所定労働時間が20時間以上であること
2.31日以上の雇用見込みがあること

引用元: Q&A~事業主の皆様へ~-厚生労働省

例えばアルバイトとして週3回のシフトで1日7時間ほど働いてしまうと、雇用保険の加入条件を満たしてしまい職業訓練受講給付金を受給できません。

そのため働きながら職業訓練受講給付金を受給したい人は、なるべく短時間で入れるパートやアルバイトなどに留めた方がよいでしょう。

毎月の収入が増えると月収8万円以下の条件も満たせなくなり、申告しないままでいると職業訓練受講給付金の不正受給となります。

不正受給をすると職業訓練受講給付金を受け取れず、申請しても今後3年間は審査に通りません。

職業訓練受講給付金の審査に落ちるのは過去3年以内に不正受給をした人

職業訓練受講給付金と不正受給の仕組み

職業訓練受講給付金の審査に落ちる原因は、過去3年以内に不正受給をした人も挙げられます。

過去3年以内に職業訓練受講給付金を不正受給すると、給付の対象から除外されるからです。

過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない

引用元: 労働相談Q&A -日本動労組合総連合会

そのため過去に職業訓練受講給付金やその他の給付金で不正受給した人は、3年以上の期間を空ける必要があります。

例えば令和元年12月31日に不正受給が発覚した場合は、令和4年1月1日まで待たなければ職業訓練受講給付金を受給できません。

職業訓練受講給付金の不正受給は詐欺罪に問われる可能性もあるため、絶対にしないよう心がけましょう。

不正受給した金額の返還と更にそれに加えて一定の金額の納付を命ぜられ、また、詐欺罪として刑罰に処せられることがあります。

引用元: 職業訓練受講給付金支給申請書-厚生労働省

他にも毎月1回のハローワークに対する申請を怠ると、職業訓練受講給付金を停止される場合があります。

支給決定後も毎月1回ハローワークで申請をしないと給付金はもらえない

毎月1回ハローワークへの申請が必要な仕組み

職業訓練受講給付金の支給決定後でも、毎月1回はハローワークへ出向いて申請しないと翌月以降の給付金がもらえません

ハローワークは受給者の月収や職業訓練の出席日数などを支給決定後も確認しており、すべての条件を満たしている受給者のみ翌月分の支給を認めています

つまり給付金を継続してもらうには、毎月の指定日にハローワークへ来所して、職業訓練受講給付金の申請および認可が必要ということです。

そのため職業訓練がはじまったら、ハローワークが指定する日に必ず来所しましょう。

用事があって指定された日に来所できない場合でも、前もって連絡すれば変更してもらえます。

職業訓練受講給付金を受給するための条件は失業保険の対象者でないこと

職業訓練給付金を受給するための条件

職業訓練受講給付金を受給するための条件は、失業保険の対象者ではないことが挙げられます。

職業訓練受講給付金は離職した人を対象としていますが、国の公的保険制度である失業保険と併用ができない仕組みになっています。

以下の全ての要件を満たす方が対象となります。
1.雇用保険被保険者ではない、また雇用保険の失業給付を受給できない

引用元: 職業訓練受講給付金-厚生労働省

職業訓練受講給付金は、限られた財源のなかで援助する離職者をできるだけ増やす目的があることから、失業保険の被保険者を対象外にしているのが実情です。

職業訓練受講給付金と失業手当における併用不可の仕組み

離職前に1年以上継続して就労していた場合は、失業保険の対象になっている可能性があるため、直近の勤務期間を確認しましょう。

失業保険の加入状況がわからない人は、給付金の申請をする前にハローワークで確認をしてもらうのも手段のひとつです。

Q10雇用保険の加入状況について確認する方法は?
A10(中略)雇用保険適用事業所情報提供請求書(様式はこちら)に必要事項を記入し、所在地管轄ハローワークにご提出ください。

引用元: 被保険者に関するQ&A-厚生労働省

失業保険の対象外で業訓練受講給付金の給付対象になる場合は、アルバイトやパートで生活費を稼ぎながら受給できます。

職業訓練受講給付金は月収8万円以下なら働きながら受給できる

職業訓練受講給付金の収入制限

職業訓練受講給付金の条件には収入制限があるものの、月収8万円以下なら働きながら受給できます。

(職業訓練受講手当)
当該特定求職者の収入の額が八万円以下であること。

引用元: e-GOV法令検索

つまり月収8万円以下であれば、パートやアルバイトなどで働きながら職業訓練を受講でき、さらに職業訓練受講給付金も受け取れるということです。

職業訓練受講給付金を受給できれば、職業訓練の費用や受講中の生活費などを賄え、離職の期間が長い人でも自分の能力を活かした仕事に就ける可能性があります。

ただし対象となる月収は給与や賞与だけではなく、以下のような年金および親の仕送りなども含まれます。

  • 給与
  • 賞与
  • 役員報酬
  • 事業収入
  • 不動産賃貸収入
  • 年金
  • 仕送り
  • 養育費など

上記の月収を合算して8万円を超えると、職業訓練受講給付金の条件を満たせず、申請しても審査に落ちるのが難点です。

パートやアルバイトによる収入の他にも、副業をしていたり親から仕送りをもらっていたりする人は、合算して8万円を超えていないことを確認しましょう。

他にも世帯収入が月30万円を超えると、職業訓練受講給付金の審査に通りませんので、事前に家族の月収においても確認が必要です。

世帯収入が月30万円を超えると職業訓練受講給付金はもらえない

職業訓練給付金と世帯年収の仕組み

世帯収入が月30万円を超えると職業訓練受講給付金をもらえないことから、申請する前に家族の月収も確認しておく必要があります。

世帯収入は同居している家族の月収だけではなく、生計を共有している親や配偶者などの収入も含まれるので、一人暮らしの人は注意が必要です。

その世帯の世帯全員の(中略)収入のあった総額。収入には、賃金、給与、事業所得、家賃、地代や利子・配当金などの財産収入のほかに仕送り、年金・恩給、社会保障給付金などが含まれる

引用元: 主な用語の説明-東京都福祉局

配偶者や親と別居している場合でも、家賃および生活費など日常にかかるお金を受け取っていると、世帯収入がある申請者として扱われます。

以下で収入の条件に関する早見表を記載していますので、自分と世帯それぞれで要件を満たしていることを確認しましょう。

世帯の状況自分の月収世帯の月収職業訓練受講給付金の受給
世帯と同居または生計が同じ8万円以下30万円以下
8万円以下30万円以上×
8万円以上30万円以下×
8万円以上30万円以上×
世帯と別居で生計も別8万円以下30万円以下
8万円以下30万円以上
8万円以上30万円以下×
8万円以上30万円以上×

例えば自分の収入が月7万円でも、親の月収が24万円あると世帯収入は31万円となり、職業訓練受講給付金を受給できません。

他にも親と生活費を共有していたり兄弟と同居したいたりする人は、自分の月収が8万円以下でも職業訓練受講給付金を受給できない場合があります。

ただし本人や世帯の収入が多くて職業訓練受講給付金を受け取れない場合でも、一定の条件を満たせば通所手当の受給は可能です。

本人の月収が12万円以下で世帯収入が34万円以下なら通所手当がもらえる

通所手当が支給される条件

本人の月収が12万以下で世帯収入が34万円以下であれば、通所手当がもらえます。

通所手当とは、訓練施設へ通うための交通費として支給される手当のことです。

職業訓練受講給付金を受給できない人でも対象になるため、本人の月収が12万円以下で世帯収入が34万円以下なら通所手当を申請しましょう。

通所手当を受給できれば、訓練施設へ通うときに必要な以下の交通費を補えます。

  • 公共交通機関の料金
  • 有料道路の料金
  • 車やバイクのガソリン代など

ただし自宅から訓練施設までの距離が短い場合は、通所手当を受給できない可能性があります。

具体的には訓練施設までの距離が2キロメートル未満で、歩いた方が経済的で合理的と判断された場合です。

自動車等を使用しないで徒歩により通所するものとした場合の通所の距離が片道二キロメートル未満であるもの及び次号に該当するものを除く
最も経済的かつ合理的と認められる通常の通所の経路及び方法による運賃等の額によって行こなうものとする

引用元: 求職者支援制度関係資料-厚生労働省

訓練施設まで歩いていけるにも関わらず、車やバスを利用すると通所手当は受け取れません。

以下で通所手当の早見表を記載していますので、受給の可否を確認しましょう。

本人の月収世帯の月収訓練施設までの距離通所手当の受給
12万円以下34万円以下2キロメートル以上
12万円以下34万円以下2キロメートル未満(徒歩では困難)
12万円超34万円以下2キロメートル以上×
12万円以下34万円超2キロメートル以上×
12万円以下34万円以下2キロメートル以上×

通所手当を受給できる場合でも、金融資産が多い人は職業訓練受講給付金を受け取れないケースがあります。

職業訓練受講給付金は金融資産が世帯全体で300万円以下の人が支給の対象

職業訓練受講給付金における金融資産の制限

職業訓練受講給付金は金融資産の条件もあり、世帯全体の預貯金や株式などを合算して300万円以下の人が支給の対象になります。

最終案では金融資産が300万円以下の世帯に限定。

引用元: 職業訓練の支援、金融資産に条件300万円以下限定に-日本経済新聞

そのため世帯全体で以下のような金融資産が多い人は、職業訓練受講給付金を受給できない可能性があります。

金融資産になるもの
金融資産にならないもの
  • 預貯金
  • 株式
  • 債券
  • 投資信託
  • 小切手
  • 貯蓄型の生命保険
  • 商品券
  • タンス預金など
  • 土地
  • 建物
  • 貴金属
  • 貴金属
  • 骨董品
  • 美術品など

金融資産が多い人は職業訓練受講給付金を受給しなくても、職業訓練の費用や当面の生活費などを捻出しやすいからです。

生命保険の解約返戻金やタンス預金なども金融資産に含まれますので、家族と同居していたり生活費を共有していたりする人は、世帯の金融資産も確認しておきましょう。

金融資産が合計300万円を超えていると、職業訓練受講給付金を受給できません。

土地や建物といった不動産は金融資産ではないものの、居住地以外で所有していると職業訓練受講給付金の審査に落ちてしまいます。

居住地以外で土地や建物を所有していると支給対象から外される

職業訓練受講給付金における土地建物の所有の制限

居住地以外で土地や建物を所有している人は、職業訓練受講給付金の支給対象から外されます

例えば居住地以外に親から相続している土地を所有していたり、自宅の敷地外に倉庫や納屋などがあったりすると、職業訓練受講給付金を受給できません。

土地や建物といった不動産は資産価値が高い場合があり、売却すれば職業訓練受講給付金がなくても職業訓練の費用や生活費などを賄える可能性があるからです。

したがって職業訓練受講給付金の条件を満たすには、月収や金融資産の制限だけではなく、居住地以外に土地および建物を所有していないことも求められます。

土地や建物の所有権がわからない場合でも、法務局に問い合わせれば確認できますので、所有者不明の不動産がある人は調べておきましょう。

法務局では、土地・建物などの不動産について「登記簿」を備え付けており、「登記事項証明書(登記簿謄本)」や、「登記事項要約書(登記簿の閲覧)」により、皆様に面積や所有者等の情報を公示しております。

引用元: 土地の所有者を調べるには?-福島地方法務局

他にも職業訓練受講給付の支給対象から外されるケースは、職業訓練を無断欠席する人が挙げられます。

職業訓練受講給付金を受給するには訓練実施日に休まず出席する必要がある

職業訓練受講給付金を受給するための出席の条件

職業訓練受講給付金を継続して受給するには、訓練実施日へ休まずに出席する必要があります。

職業訓練を一度でも欠席すると、職業訓練受講給付金の支給が停止されるからです。

一度でも訓練を欠席(遅刻・欠課・早退を含む)したり(やむを得ない理由を除く)ハローワークの就職支援を拒否すると、職業訓練受講給付金が不支給となる

引用元: 求職者支援制度による職業訓練受講給付金のご案内-TOKYOはたらくネット

職業訓練受講給付金は国の制度であり、就職や転職のために職業訓練を真面目に取り組んでいる人を対象にしています。

したがって以下のようなやむを得ない理由で職業訓練を欠席する場合でも、公的な証明書類が必要です。

やむをえない欠席理由証明書類
病気やケガ
  • 診断書
  • 処方箋
  • 医療機関の領収書などいずれか1点
ハローワークが指示した就職セミナーの受講セミナーの参加証
列車の遅延遅延証明書
公共交通機関の事故事故証明書
就職のための面接面接担当者の証明書
国家試験や検定試験など
  • 受験票
  • 受験通知書
  • 受験証明書などいずれか1点
親族の葬儀葬儀委員長または喪主の証明書
育児不要
介護不要

例えば病気のために職業訓練を欠席するケースでは、医療機関の診断書や処方箋などを訓練施設に提出する必要があります。

証明書類の提出を怠ると、職業訓練受講給付金が停止されて職業訓練へ通えないかもしれません。

そのためやむをえない理由で職業訓練を欠席する場合は、早めに証明書類を用意した方がよいでしょう。

一方で欠席理由が育児や介護であれば、証明書類を提出しなくても職業訓練受講給付金は停止されず、翌月以降も受給が可能です。

欠席理由が育児や介護であれば8割の出席率で給付金がもらえる

育児者や介護者に対する特別な措置

職業訓練の欠席理由が育児や介護であれば、証明書を提出しなくても8割の出席率で職業訓練受講給付金がもらえます

子の養育を行っている方、親族(一定範囲に限る)の介護を行っている方が、訓練実施日(訓練実施時間)の8割以上出席している場合、やむを得ない理由以外の理由により受講しなかった日数に応じて減額した上で職業訓練受講給付金を支給します。

引用元: 求職者支援制度があります!-厚生労働省

育児や介護といったケースでは、些細なことでも世話を強いられる場合があり、公的な証明書類の用意が難しいからです。

したがって育児や介護をしている人は、職業訓練の実施日と出席日数を確認しておいた方がよいでしょう。

例えば職業訓練が20日間ある月に、育児で4日間の欠席があっても、他の16日間すべてに出席すれば8割となるため受給できます。

出席率を算出する場合は、以下のように職業訓練の出席日数を実施日で割るだけです。

職業訓練の出席日数16日÷職業訓練の実施日20日×10=出席率8割

上記の計算で出席率が8割以上であれば、職業訓練受講給付金は停止にならず、日割り計算による受給が可能です。

ただし職業訓練受講給付金を6年以内に受給していると、育児や介護といったやむを得ない場合でも支給の対象外となります。

職業訓練受講給付金を6年以内に受給している人は支給対象外になる

職業訓練受講給付金における過去の受給状況の条件

職業訓練受講給付金を6年以内に受給している人は支給対象外になるため、申請しても審査に落ちてしまいます

既にこの給付金を受給したことがある場合は、前回の受給から6年以上経過している方

引用元: 「求職者支援制度」~雇用保険を受給できない求職者の方へ~-印西市

そのため過去に職業訓練受講給付金を受け取っている人が再び受給するには、最後の受給日から6年以上の経過が必要です。

例えば最後の受給日が令和元年1月1日であれば、令和7年1月2日を迎えなければ支給対象になりません。

最後の受給日令和元年1月1日
支給対象外の期間令和元年1月2日〜令和7年1月1日
支給対象の期間令和7年1月2日以降

過去に職業訓練受講給付金を受給している人は、最後の受給日から6年以上を経過していることを確認しておきましょう。

最後の受給日から6年以上が経過していれば、過去に職業訓練受講給付金を受給している人でも支給対象となります。

職業訓練受講給付金の申込方法は制度の発足当時から変わらないため、過去に受給している人なら以前と同じ方法で申請が可能です。

しかし親や兄弟などが職業訓練受講給付金を受け取っていると、6年以上を経過している場合でも受給できない可能性があります。

同一世帯の中で同時に職業訓練受講給付金を受給することはできない

職業訓練受講給付金における世帯内の人数制限

生計を共有している同一世帯の中で、職業訓練受講給付金を同時に受給することはできません

職業訓練受講給付金の受給者は、ひとつの世帯で1人までと決まっているからです。

例えば同一世帯の兄が職業訓練受講給付金を受給していると、自分は支給対象外となるため申請しても審査で落とされます。

兄弟で職業訓練受講給付金を受給したい場合は、職業訓練の時期をずらしたり世帯から独立したりなどの対策が必要です。

一方で生計を共有していない別の世帯であれば、兄弟で職業訓練受講給付金を受給できます。

職業訓練受講給付金を受給しながら職業訓練に通いたい人は、同一世帯で受給者がいないことも確認しておきましょう。

職業訓練受講給付金を受給する流れ!職業相談時に事前審査の申請が必要

職業訓練受講給付金を申請する流れ

職業訓練受講給付金を受給する流れは以下のようになっており、職業相談時に事前審査の申請が必要になります。

STEP
ハローワークで職業相談と事前申請を申し込み

職業訓練受講給付金を受給するには、最初にハローワークへ職業相談を申し込む必要があります。

職業相談とは、ハローワークが求職者の希望にあわせて求人や職業訓練を無料で紹介している行政サービスのことです。

職業訓練受講給付金をもらいながら職業訓練へ通いたい旨を伝えると、事前審査の申請手続きに移行します。

併せて職業訓練の受講申込書も渡されるので、受け取ったら期間内に訓練施設へ提出してください。

STEP
訓練施設で選考を実施

受講申込書を提出すると、訓練施設で筆記試験と面接による選考がはじまります。

したがって職業訓練受講給付金の事前審査は、選考が終わったあとに実施されます。

選考は筆記試験よりも面接が重視されるため、訓練コースの志望動機や希望している職種を答えられないと、否決によって職業訓練へ通えないかもしれません。

一方の筆記試験は一般常識や簡単な計算問題が多いことから、読み間違ったり書き損じたりしないよう気を付けましょう。

選考の結果は自宅へ郵送され、合格していればハローワークへ選考通知書を持参して、職業訓練の開始となります。

STEP
ハローワークで事前審査を実施

職業訓練受講給付金の事前審査は、職業訓練へ通い始める前後にハローワークで実施します。

事前審査では申請者の月収や金融資産などを確認されるため、必要書類を忘れないように持参しましょう。

事前審査の結果も自宅へ郵送され、条件を満たしている場合はハローワークへ再び来所して、職業訓練受講給付金の支給申請に必要な書類を受け取ります。

STEP
ハローワークで支給申請を実施

先述のとおり職業訓練受講給付金を受給するには、職業訓練の期間中に毎月1回はハローワークへ来所して支給申請する必要もあります。

支給申請は事前審査に対する本審査にあたり、職業訓練の進捗状況をハローワークが確認する必要があるからです。

そのため事前審査は1回のみですが、支給申請は1ヶ月に1回の頻度で実施されます。

項目事前審査支給申請
回数1回のみ1ヶ月に1回
主に見られる点受給条件を満たしているか職業訓練に問題なく通っているか

支給申請による審査の結果、職業訓練の進捗に問題がなければ、職業訓練受講給付金の受給が可能です。

以上のように事前審査と支給申請の審査にそれぞれ通過すれば、職業訓練受講給付金を受給できます。

ただし初回の給付金は、職業訓練が開始されてから1ヶ月程度と遅い対応なのが難点です。

職業訓練受講給付金の初回振込はハロートレーニング開始から1ヶ月程度

職業訓練受講給付金の初回振込は、職業訓練やハロートレーニングの開始から1ヶ月程度となっています。

前述している支給申請の1回目は、職業訓練の開始月から2ヶ月目に実施されるからです。

例えば1月に職業訓練を開始した場合は、2月の初旬に1回目の支給申請があり、同月の中旬頃に給付金が振り込まれます。

職業訓練受講給付金における受給日の仕組み

そのため職業訓練の開始月には、職業訓練受講給付金を受け取れません。

すぐに受給できる旨を想定していると、生活費が枯渇して職業訓練へ通えない懸念があるため、初回の振込日は前もって把握しておきましょう。

一方で2回目以降の振込日は、支給申請してから1週間後に対象口座へ振り込まれます。

2回目以降は申請手続きをしてから約1週間後に口座へ振り込まれる

2回目以降の申請から入金までの期間

職業訓練受講給付金における2回目以降の受給は、申請手続きを実施してから約1週間後となっています。

支給決定後、通常、1週間から10日程度後に、あらかじめ届け出た金融機関の口座に職業訓練受講給付金が振り込まれます。

引用元: 不安定就労者再チャレンジ支援事業(令和4年度開始分)受託者による職業訓練受講給付金関連業務について-厚生労働省

つまり2回目以降の受給は、1回目のような遅い対応にならず、速やかに振り込まれるということです。

例えば3月の初旬に2回目の支給申請を実施した場合は、同月の中旬ごろに職業訓練受講給付金が振り込まれます。

ただし支給申請に必要な提出書類に不備や不足があると、2回目以降の振り込みでも1ヶ月程度かかる可能性があります。

職業訓練受講給付金を滞りなく受給するためにも、必要書類の準備を進めておきましょう。

職業訓練受講給付金の申請に必要な書類!種類が多いため事前準備が大切

職業訓練受講給付金の申請に必要な書類は、以下のように事前審査と支給申請でそれぞれ異なります

事前審査の必要書類支給申請の必要書類
自分で用意
  • 本人確認書類
  • マイナンバーを確認できる書類
  • 住民票のコピー
  • 自分の通帳
  • 家族の通帳のコピー
  • 自分と家族の給与明細書
  • 振込先となる通帳のコピー
  • 顔写真
  • 子供がいる場合は在校証明書
  • その他ハローワークが求める書類など
やむを得ない理由で欠席した場合は証明書類
交付後に記載して提出する必要書類
  • 受講申込、事前審査書
  • 職業訓練受講給付金要件申告書
  • 職業訓練受講給付金通所届
  • マイナンバーの情報連携による地方税関係情報の情報照会に係る同意書
  • 育児、介護実施状況申告書
  • 就職支援計画書
  • 職業訓練受講給付金支給申請書
  • 職業訓練受講給付金支給状況

なかでも事前審査の必要書類は種類が多いため、事前準備しておくことが大切です。

すべての必要書類をハローワークへ提出しなければ、職業訓練受講給付金を受給できません。

ハローワークから交付される申込書や同意書なども、提出時に不備があると受給が遅れることから、間違わないよう正しく記載しましょう。

毎月の支給申請においては必要書類が少ないものの、就職支援計画書を提出する必要があります。

就職支援計画書とは就職に向けた活動計画が記載されている指示書のことであり、職業訓練と給付金のそれぞれで必須になります。

「就職支援計画書」は、ハローワークが支援期間を通じて、積極的な就職支援を行うためのプラン表(記録表)で、とても大切な書類です。ハローワークが就職支援計画書を交付することを「支援指示」といい、支援指示がなければ訓練を受講することも、職業訓練受講給付金を受給することもできません。

引用元: 求職者支援制度のご案内-厚生労働省

そのため職業訓練の期間中は、就職支援計画書をはじめとする必要書類の管理も大切です。

職業訓練を休まずに受講して、すべての必要書類をハローワークへ提出すれば、職業訓練受講給付金として月10万円をもらえます。

職業訓練で取得できる資格一覧!希望の職種に合わせて対象講座を選ぼう

職業訓練で取得できる主な資格の一覧

職業訓練で取得できる資格一覧は以下のようになっており、希望の職種に合わせたさまざまなスキルや技術を習得できます

希望する職種就職で有利になる資格資格を取得できる主な対象講座
一般事務
  • MOS Word
  • MOS Excel
  • MOS PowerPoint
  • 表計算検定
  • ワープロ検定
  • 計算実務検定など
初心者のためのパソコン基礎科
経理事務
  • 日商簿記検定3級
  • 日商簿記検定2級
就職に役立つパソコン簿記社会保険事務科
医療事務
  • 医療事務技能審査試験
  • 医療事務管理士技能認定試験
  • 調剤事務管理士技能試験
  • 医療事務検定試験
  • 診療報酬請求事務能力認定試験など
医療事務科
IT
  • 基本情報技術者試験
  • PHP技術者認定試験
  • Javaプログラミング能力認定試験など
WEBアプリケーションプログラマー養成科
介護
  • 介護職員初任者研修修了
  • 介護福祉士実務者研修修了
  • 生活援助従事者研修など
介護職員初任者養成科
美容
  • ボディエステティシャン1級
  • フェイシャルエステティシャン1級など
トータルビューティー科
不動産
  • 宅地建物取引士など
宅建スキル養成科
電気設備
  • 低圧電気取扱特別教育修了
  • 第一種電気工事士
  • 第二種電気工事士
  • 消防設備士第四類など
電気設備技術科

そのため職業訓練を受講する際は、自分が希望している職種に合わせた対象講座を選びましょう

例えば介護職を希望している人なら、介護初任者研修を選ぶことで介護職員初任者研修修了を取得できます。

介護職員初任者研修修了は介護士の入門資格であり、取得すれば介護施設に就職しやすくなるのが利点です。

一方で美容系の仕事に就きたい人は、エステティシャン養成科を選ぶことでボディエステティシャンの資格を取得でき、サロンやスパ施設などに就職しやすくなります。

自分が希望している対象講座が見つけられない場合でも、ハローワークへ相談すれば丁寧に教えてもらえますので、最寄りの職業安定所に来所するのが最適です。

他にも都道府県ごとに設置してある職業訓練支援施設のポリテクセンターへ問い合わせれば、求職者に適した対象講座を紹介してもらえます。

以上のように職業訓練で取得できる資格はさまざまあるものの、IT業界を希望している人は基本情報技術者試験に合格すると就職しやすくなります。

IT業界で働きたいなら基本情報技術者試験の合格を目指すと有利になる

職業訓練で取得できる情報技術者資格の種類

​​IT業界で働きたいなら基本情報技術者試験の合格を目指すとよく、取得すればエンジニアやプログラマーなどの職種で有利になります。

基本情報技術者試験とは、ITの基本的な知識や技術を身につけている旨を証明できる国家資格のことです。

情報処理技術者試験は、「情報処理の促進に関する法律」に基づき経済産業省が、情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定している国家資格です。

引用元: 情報処理技術者試験のご紹介-経済産業省

そのためエンジニアやプログラマーを目指している人は、基本情報技術者試験の資格を取得できる、プログラミング科といった以下の訓練コースを受講しましょう。

講座名Java・Pythonプログラミング科
取得できる資格
  • 基本情報技術者試験
  • Python 3 エンジニア認定基礎試験
  • CompTIA A+
  • CompTIA Cloud Essentialsなど
期間6ヶ月
時間535時間
自己負担額教科書代14,190円
会場山形県山形市

プログラミング科の訓練期間は5〜6ヶ月と長いものの、職業訓練受講給付金を受給すれば訓練期間中の生活費を賄えます。

訓練中はさまざまなプログラミング言語を学べるうえ、以下のようなIT企業による説明会を受けられることも嬉しいポイントです。

ただしプログラミング科を受講するには、最低限のパソコンスキルを求められるのが難点となります。

今までパソコンに触ったことがない人は、プログラミング科の課題についていくのは難しいかもしれません。

一方でOA事務科といった一般事務を目指す訓練コースであれば、パソコンスキルがなくても受講が可能です。

MOSはパソコンスキルを身につけて可能性を広げたい人に最適

MOS試験が就職に有利になる仕組み

職業訓練にはMOSを取得できる訓練コースもあり、パソコンスキルを身につけて事務職や営業職といった就職の可能性を広げたい人に最適です。

MOSとはマイクロソフト社が主催している資格試験のことであり、取得すれば文章作成ソフトのWordや表計算ソフトのExcelなどを扱える旨を証明できます。

MOSを取得することは実践的なパソコンスキルを有することの証明となり、就職・転職時のアピールとしても活用できます。

引用元: MOSとは/MOS取得のメリット-Microsoft

そのため事務職や営業職などを希望している人は、MOSを取得できる以下のようなビジネスパソコン講座を選びましょう。

講座名初歩からできるビジネスパソコン基礎科
取得できる資格
  • MOS 2019
  • 日商PC検定試験3級
  • パソコン技能検定2種試験2級
期間4ヶ月
時間400時間
自己負担額教科書代8,261円
会場神奈川県横浜市

上記の特訓コースを受講すれば、今までパソコンに触ったことがない人でもMOSを取得でき、就職や転職で有利になります。

すでにパソコンを扱える人でも、職業訓練によってMOSや他の資格を取得すれば就職や転職の選択肢が広がります。

例えば不動産業界に興味がある人は、MOSと宅地建物取引士の両方を取得するのが理想です。

宅地建物取引士の資格は不動産業界だけでなく幅広い業種で役立つ

宅地建物取引士が多様な業界で活躍できる仕組み

職業訓練によって宅地建物取引士の資格を取得すれば、不動産業界はもちろん以下のような幅広い業種で役立つのが利点です。

  • 不動産業
  • 金融業
  • 建設業
  • 小売業
  • 保険業など

宅地建物取引士とは不動産取引を専門とする国家資格のことであり、 顧客に対する重要事項を説明できる唯一の資格者になります。

なかでも不動産会社は宅地建物取引士の設置が法律によって義務付けられているため、資格を取得すれば建物の管理会社や土地の仲介業者などに就職しやすくなります

不動産業を営む時は、ひとつの事務所において「業務に従事する者」5人につき1人以上の割合で、専任の宅地建物取引士を設置することが義務付けられています。

引用元: 開業に必要な条件-全日本不動産協会東京都本部

さらに小売業や保険会社といった業種でも不動産担保取引が実施されることから、宅地建物取引士の資格は需要が増している状況です。

実際に国土交通省の調査でも、宅地建物取引士の登録者数は以下のように増加を示しています。

宅地建物取引士の登録者数の推移

参考元: 令和2年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について-国土交通省

そのため不動産業界を目指している人は、宅地建物取引士を取得できる以下のような職業訓練を受講しましょう。

講座名宅建スキル養成科
取得できる資格
  • 宅地建物取引士
  • 不動産適正取引推進機構
期間4ヶ月
時間410時間
自己負担額教科書代5,000円
会場長野県長野市

宅地建物取引士を取得すれば収入が安定するだけではなく、経験を重ねるごとに年収が上がりやすいことも利点になります。

他にも収入が安定している職種や昇給率が高い業種を希望している人は、職業訓練で簿記の資格を取得するのが得策です。

簿記を学ぶと事務職で働くのに有利!給料が高い傾向にある経理が狙い目 

企業の経営活動を記帳する簿記を学ぶと、経理といった事務職で働くケースで有利になります。

大手企業の会計課であれば年収が高い傾向にあるため、給料が高い仕事に就きたい人は職業訓練で簿記を取得して経理を目指すのが狙い目です。

実際に厚生労働省が運営している職業情報提供サイトの調査でも、経理の年収は高い傾向にあります。

経理部の平均年収のグラフ

引用元: 経理事務-職業情報提供サイトjobtag

そのため経理の仕事に就きたい人は、簿記の資格を取得できる以下のような訓練コースを受講しましょう。

講座名就職に役立つパソコン簿記社会保険事務科
取得できる資格
  • 日商簿記2級
  • 日商簿記3級
  • MOS検定(Word 2019)
  • MOS検定(Excel 2019)
期間4ヶ月
時間408時間
自己負担額教科書代15,500円
会場愛知県名古屋市

教科書代として1万5,000円ほどの費用が発生するものの、職業訓練受講給付金を受給できれば生活費まで圧迫しないかもしれません。

職業訓練受講給付金の使い道は自由なため、簿記の勉強に必要な過去問題集やパソコンおよび電卓なども購入できます。

職業訓練受講給付金とは公的職業訓練の受講中に月10万円もらえる制度

職業訓練受講給付金の制度

職業訓練受講給付金とは、雇用保険を受け取れない人が公的職業訓練 の受講中に国から10万円をもらえる制度のことです。

求職者支援制度に基づいて実施されている給付制度となり、就職や転職を目指す求職者を給付金と無料の公的職業訓練によって支援しています。

求職者支援制度は、再就職や転職を目指す求職者の方が、月10万円の生活支援の給付金を受給しながら無料の職業訓練を受講する制度です。

引用元: 求職者支援制度とは-社会福祉法人佐野市社会福祉協議会

そのため職業訓練受講給付金は基本手当の10万円だけではなく、以下のように通所手当や寄宿手当なども受給が可能です。

職業訓練受講給付金受給金額
職業訓練受講手当月10万円
通所手当月4万2,500円まで
寄宿手当月1万700円

通所手当は月4万2,500円まで、寄宿手当も月1万700円までそれぞれ受給でき、全ての条件に該当すれば月15万3,200円まで受け取れます。

基本手当月10万円+通所手当月4万2,500円まで+寄宿手当月1万700円まで=最大月15万3,200円

寄宿手当とは自宅から訓練施設までが遠いために、最寄りのアパートへ引っ越したり付属の下宿先に居住したりする場合に受給できる手当のことです。

したがって訓練施設が遠方で通うのが難しい場合は、寄宿手当を申請した方がよいでしょう。

さらに職業訓練受講給付金は非課税となっており、課税されないことも嬉しいポイントです。

職業訓練受講給付金は非課税所得のため課税されない!確定申告も不要

職業訓練受講給付金における課税の仕組み

職業訓練受講給付金は非課税所得に該当するため課税されず、確定申告も不要となります。

職業訓練受講給付金などは、非課税所得であるため課税されません。

引用元: 所得の種類(総合課税)-大村市

つまり職業訓練受講給付金で受け取った給付金はすべて自分のものとなり、税金として国から徴収されないということです。

職業訓練受講給付金が非課税な理由は、制度上の観点から求職者を保護する必要があり、課税すると本来の役目を果たせません。

実際に適用法である以下の条文にも、税金として徴収されない旨の記載があります。

租税その他の公課は、職業訓練受講給付金として支給を受けた金銭を標準として課することができない。

引用元: 職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律-衆議院

したがって失業保険を受給できない人が職業訓練の費用や訓練期間中の生活費などを補いたい場合は、非課税で受け取れる職業訓練受講給付金を申請した方がよいでしょう。

一方で失業保険を受給できる場合は、受給期間を延長できる訓練延長給付を活用するのが最適です。

雇用保険被保険者が公共職業訓練を受講すると訓練延長給付が適用される

雇用保険被保険者は失業保険を受給できるうえ、公共職業訓練を受講すれば訓練延長給付が適用されます。

訓練延長給付とは公共職業訓練の受講によって、失業手当の給付期間を訓練修了日まで延長できる制度のことです。

訓練期間中に失業給付の所定給付日数がなくなった場合、訓練修了日(退校日)まで延長されます

引用元: 職業訓練制度のご案内-厚生労働省

例えば失業保険の給付開始日が1月1日で、給付日数が90日だった場合、通常の支給終了日は3月30日までとなります。

しかし支給開始日から公共職業訓練を180日間にわたって受講すれば、以下のように失業手当の支給終了日を6月29日まで延長が可能です。

公共職業訓練における延長給付の仕組み

そのため失業保険の受給期間を伸ばしたい人も、公共職業訓練を受講して再就職を目指す方がよいでしょう。

雇用保険被保険者であれば、公共職業訓練の受講期間を最長2年まで設定できます。

訓練期間がより長い公共職業訓練(最長2年)なども受講できます

引用元: 求職者支援制度のご案内-厚生労働省

公共職業訓練を受講する利点は失業手当の延長だけではなく、給付制限の解除も挙げられます。

受講指示を受けると2ヶ月間の給付制限が解除されて支給開始が早まる

公共職業訓練と給付制限の関係

ハローワークから受講指示を受けると、2ヶ月間の給付制限が解除されるため、失業手当の支給開始が早まります

受講指示とはハローワークが失業手当の受給者に対して、職業訓練の必要性を認めることです。

自己都合で会社を退職すると支給の開始時期が2ヶ月ほど遅れるものの、受講指示を受けたうえで職業訓練を受講すれば、翌月までには失業手当を受け取れます

自己都合による退職の場合、2~3ヶ月の給付制限が課せられますが、給付制限期間中に職業訓練をする場合は、給付制限が解除され雇用保険の失業給付が受給できるようになります。

引用元: 再就職に向けてチャレンジ!!-独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構

ただし受講指示を受けられるのは、以下の基準を満たしている人に限られ、職業訓練の開始時点で一定以上の給付日数が必要です。

失業手当の給付日数受講開始時点の給付残日数
2ヶ月間の給付制限あり2ヶ月間の給付制限なし
90日31日以上1日以上
120日41日以上1日以上
150日51日以上31日以上
180日61日以上61日以上
210日71日以上71日以上
240日91日以上91日以上
270日121日以上121日以上
330日181日以上181日以上

参照元: 職業訓練を受けたい公的職業訓練(ハロートレーニング)-厚生労働省

例えば失業手当の給付日数が120日の人が受講指示を受けるには、職業訓練の開始時点で給付残日数が41日以上は必要になります。

そのため受講指示を受けたい人は、なるべく早くハローワークへ相談するのが賢明です。

受講指示を受ければ、前述している訓練延長給付も支給対象となり、さまざまな恩恵を受けられます。

一方で受講指示を受けられず、失業保険の受給期間も終了した人は、訓練職業訓練受講給付金を申請しましょう。

職業訓練受講給付金は、受講指示を受けられない人でも、全ての受給条件を満たせば支給の対象になります。

他にも受講指示を受けられない人は、教育訓練給付金制度を検討するケースがあり、受講すれば将来のキャリアアップにつながります。

教育訓練給付金制度との違いは受給金額!職業訓練なら受講費用は無料

職業訓練受講給付金と教育訓練給付金制度の比較

職業訓練受講給付金と似ている制度に教育訓練給付金制度がありますが、以下のように受給金額や受講費用に違いがあります

制度名教育訓練給付金職業訓練受講給付金
受給金額受講料の20〜70%月10万円
受講費用有料無料
対象者在職者離職者
主な目標キャリアアップ就職

教育訓練給付金制度とは、ハローワークに教育訓練を申し込んだ人が受け取れる給付金のことです。

教育訓練を受講すれば、将来のキャリアアップに繋がるものの、職業訓練のような受講費用が無料になるような制度ではありません。

そもそも教育訓練給付金制度は、すでに働いている人に向けた制度のため、離職者には利用しづらいのが難点です。

そのため離職者が就職を目指したい場合は、職業訓練受講給付金を受給しながら職業訓練へ通う方がよいでしょう。

職業訓練なら受講費用が無料になることから、貯蓄が少ない人でも通いやすくなっています。

最後に職業訓練受講給付金についてまとめていますので、条件や申請手続きを確認したい人は参考にしてください。

  • 失業保険をもらえないことが職業訓練受講給付金を受給する条件
  • 所得制限として月収8万円以下であることが求められる
  • 世帯年収が30万円を超えないことも必要
  • 職業訓練受講給付金を受給するには事前審査の申請が必要