モアタイムシステムとは、土日祝日や夜間といった銀行の営業時間外となる時間にも即時振込を可能にした仕組みのことです。

全銀システムにおけるモアタイムシステムの仕組み

国内の決済システムを担っている全銀システムに組み込まれており、24時間365日いつでも即時振込ができる環境を実現しています。

平日夜間や土日祝日に対応した「モアタイムシステム」を、2018年10月から稼動しました。
これにより、わが国においても、銀行振込の24時間365日化が実現しております。

引用元: 全銀システムとは-全国銀行資金決済ネットワーク

振り込んだお金が相手に即時で反映されるため、支払い期限が差し迫っている場合でも入金が間に合うのが魅力です。

ただし、即時振込を実現させるには双方の銀行がモアタイムシステムに対応している必要があります。

モアタイムシステムに非対応の銀行との取引の仕組み

質問 振込したが入金されない。
回答 あおぞら銀行はモアタイムシステム(24時間365日即時決済・送金ができる金融サービス)非対応となります。

引用元: よくあるご質問-あおぞら銀行

金融機関によってはモアタイムシステムに対応しておらず、支払いが間に合わなくなってしまう可能性もあるため、事前に対応している金融機関を調査しておくのが最適です。

この記事でわかること
  • モアタイムシステムとは土日や夜間でも即時振込ができる決済システムのこと
  • 2024年7月時点では1,084行もの金融機関がモアタイムシステムに対応している
  • モアタイムシステムに対応していない金融機関への送金は即時振込ができない
  • 金融機関のシステムメンテナンス中は入金処理が遅れてしまう

この記事では、金融機関との即時取引ができるモアタイムシステムについて解説しています。

モアタイムシステムに対応している銀行の一覧や利用時の注意点も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

目次

モアタイムシステムとは?24時間365日リアルタイムで即時振込できる仕組み

モアタイムシステム導入時の対応時間

モアタイムシステムとは、24時間365日いつでもリアルタイムで即時振込できる決済システムのことです。

一般社団法人の全国資金決済ネットワークによって運営されており、銀行間の決済を担うオンラインシステムである全銀システムのもとで2018年10月から稼働しています。

Webサービスの普及に伴って送金や決済の需要が増加したことから、即時振込の対応時間を拡大する目的で導入されました。

実際に金融庁が実施した調査でも、夜間や土日祝日に振り込みしたい人は52.0%にのぼっており、過半数の人が24時間いつでも送金できる環境を望んでいるのが実情です。

夜間や土日祝日の即時振込を希望する人の割合

参考元: 全銀システムのあり方に関する検討結果について-金融庁

そのため、現在では95%以上の金融機関がモアタイムシステムに加盟しており、24時間365日いつでも取引ができる状態を維持しています。

95%以上の加盟銀行が参加(1,228行中1,199行(2019年12月末時点))。

引用元: 全銀ネット説明資料-日本銀行

例えば、支払い期限を当日の夜中に思い出した場合でも、モアタイムシステムに加盟している金融機関ならWebで簡単に即時振込できるのが大きな魅力です。

一方、既存の全銀システムであるコアシステムは金融機関の営業時間に準じた時間帯のみ稼働しており、平日の午前中から午後の振り込みに対応しています。

コアタイムシステムとの違いは夜間や土日祝日でも振込が可能なこと

モアタイムシステムとコアタイムシステムの比較

モアタイムシステムとコアタイムシステムの違いは、夜間や土日祝日でも振り込みが可能なことが挙げられます。

それぞれの稼働している時間帯を比較すると以下のようになっており、コアタイムシステムは平日の8:30〜15:30のみ振り込みが可能です。

時間帯平日土日祝日
8:30〜15:3015:31以降8:30〜15:3015:31以降
コアタイムシステム××
モアタイムシステム×

一方のモアタイムシステムは平日の8:30〜15:30は機能が停止しているものの、夕方以降や土日祝日に稼働を開始します。

したがって既存のコアタイムシステムにモアタイムシステムを加えたことで、24時間365日の振り込みを実現できた形です。

今ではコアタイムシステムにモアタイムシステムを加えたものを全銀システムと呼んでおり、ネット時代に合わせた決済インフラを支えています。

他にも夜間や土日祝日の振り込みによって、銀行が閉まっている時間帯でも送金や入金が可能となりました。

窓口が休業する年末年始やゴールデンウィーク中でも振込が可能になった

モアタイムシステムと銀行の窓口における営業時間の比較

モアタイムシステムが稼働したことで、銀行の窓口が休業する年末年始やゴールデンウィーク中でも振り込みが可能になりました。

既存のコアタイムシステムだけでは、年末年始やゴールデンウィーク中の振り込みがすぐに反映されなかったものの、今では一年中いつでもリアルタイムの送金が可能です。

例えば元旦の当日に親戚の子供へお年玉としてお金を振り込めたり、ゴールデンウィーク中でも会社の取引先へすぐに送金できたりします。

他にも土日祝日の借り入れや夜間の売り上げなど、以下のような自分に対する振り込みにおいても、リアルタイムで反映されるのが嬉しいポイントです。

  • カードローンの借り入れ
  • フリマサイトの売り上げ
  • 友人や知人からの送金など

さらに支払い期限が迫られている状況においても、モアタイムシステムによる恩恵を受けられます。

反映時間は即時だから支払い期限の直前でも入金が間に合う

モアタイムシステムの入金時間と反映時間の仕組み

モアタイムシステムに参加している銀行であれば、夜間や土日祝日の反映時間は即時なことから、支払い期限の直前に振り込んでも入金が間に合います

例えば電気代の支払い期限が週明けの月曜日でも、前日の日曜日に振り込めば入金履歴がすぐに反映されるため、支払日を過ぎる心配がありません。

家賃や公共料金などで支払い期限を迫られている場合は、自分と振込先の銀行口座がモアタイムシステムに参加していることを確認しておいた方がよいでしょう。

モアタイムシステムに参加している銀行を確認するには、全銀ネットのモアタイムシステム参加金融機関から確認が可能です。

一方でコアタイムシステムのみの銀行を利用すると、夜間や土日に振り込んでもすぐに反映されないため、場合によっては支払日を過ぎる懸念があります。

コアタイムシステムの難点はネット通販も挙げられ、夜間や土日に注文すると代金がすぐに反映されないことから、通常より商品の発送が遅れる可能性があります。

そのためネット通販で商品をすぐに受け取りたい人も、モアタイムシステムに対応している銀行口座を利用するのが最適です。

着金までのタイムラグがないのでネット通販で購入後すぐに発送が可能

モアタイムシステムによる即時入金とネット通販の仕組み

モアタイムシステムによって着金までのタイムラグが無くなったため、夜間や土日祝日にネット通販で買い物しても、商品の購入後すぐに発送が可能です。

商品を発送するタイミングは通販サイトによって異なるものの、支払い方法がクレジットカードや口座振替であれば、店舗側が代金を確認してから実施されます。

そのためモアタイムシステムは、ネット通販の利便性にもつながっているのが実情です。

一方でコアタイムシステムのみの銀行口座から代金を支払ったり、モアタイムシステムに対応していないネット通販で買い物したりすると、商品をすぐに受け取れない可能性があります。

今では世帯の半分以上がネット通販を利用していることから、多くの人が知らない間にモアタイムシステムの恩恵を受けているかもしれません。

2022年の二人以上の世帯におけるネットショッピングを利用した世帯の割合は52.7%

引用元: 2022年家計消費状況調査 結果の概況-総務省統計局

さらにカードローンといった個人向け融資においても、モアタイムシステムによって利便性が向上しています。

カードローンなどの個人向け融資でもその場ですぐに借入金を受け取れる

モアタイムシステムにおける即日融資の仕組み

モアタイムシステムが稼働したことで、カードローンやクレジットカードのキャッシングなどの個人向け融資でも、その場ですぐに借入金の受け取りが可能となりました。

例えば夜間や土日祝日に外出先でお金が必要になった場合でも、スマホからカードローンに申し込んだ後、審査に通ればコンビニATMからお金を借りられます

今では消費者金融も24時間365日の即時振込に対応しており、以下の大手であれば審査結果が30分ほどでわかります。

消費者金融24時間365日の即時振込審査時間
プロミス最短3分
アイフル最短18分
アコム最短20分
レイク最短25分
SMBCモビット最短15分

ただしカードローンの審査に通過しても、コアタイムシステムのみの銀行口座を利用すると、夜間や土日祝日の振り込みによる借り入れはできません。

夜間や土日祝日にお金を借りたい人は、モアタイムシステムに対応している銀行口座を作っておいた方がよいでしょう。

モアタイムシステムの銀行口座を作っておけば、ことら送金による24時間365日の即時振込も可能です。

ことら送金との連携でいつでも携帯番号だけで振込できるようになった

モアタイムシステムとことら送金における連携の仕組み

モアタイムシステムとことら送金の連携によって、いつでも携帯番号だけで指定の銀行口座へ振り込みできるようになりました。

ことら送金とは株式会社ことらが運営している個人間送金サービスのことであり、口座番号と携帯番号を紐づけるだけで、家族や友人にお金を振り込めます。

さらにことら送金は、銀行系アプリやノンバンク系アプリなど、さまざまなアプリ同士で送金できるのも特徴です。

ことらは小口専用の決済インフラであり、銀行の個人向けインターネットバンキングや銀行系Pay、ノンバンク系Pay等の異なるサービス間も含む送金サービスの提供を目指す。

引用元: 国内決済インフラの高度化に向けた取組み-財務省

例えば三井住友銀行アプリからゆうちょ通帳アプリへ送金できたり、J-CoinPayからSBI新生銀行アプリへ入金したりなど、異なるアプリ同士でも振り込めます。

そのため、ことら送金でお金を振り込みたい人は、自分が利用している金融機関のアプリをインストールした方がよいでしょう。

利用先の金融機関がモアタイムシステムに対応していれば、24時間365日の送金をできるうえ手数料も発生しません。

振込金額が10万円以下なら手数料が無料

ことら送金の手数料無料の仕組み

ことら送金による1回の振込金額は10万円以下と制限があるものの、振り込みの手数料は無料になっています。

手数料は、各アプリ事業者が決定します。サービスを開始している先は無料です。
※2024年12月時点

引用元: 『ことら送金』サービス紹介サイト-COTORA

つまりモアタイムシステムに参加している銀行であれば、ことら送金によって24時間365日いつでも手数料が無料で指定の口座へ振り込めるということです。

一方で窓口やATMからお金を振り込むと、以下のように110〜990円ほどの手数料が発生します。

銀行窓口の振り込み手数料ATMの振り込み手数料
みずほ銀行440〜880円220〜550円
三井住友銀行220〜605円550円〜880円
三菱UFJ銀行880〜990円110〜770円

そのため家族や友人への送金が多い人は、手数料を無料で振り込める、ことら送金を活用するのが最適です。

ただしことら送金を利用するには、先述のとおり金融機関ごとに指定するアプリが必要になります。

金融機関が指定するアプリを利用していることが条件

ことら送金のアプリ送金の仕組み

ことら送金でお金を振り込むには、金融機関が指定するアプリを利用していることが条件になります。

利用している金融機関指定のアプリ
みずほ銀行
  • J-CoinPay
  • BankPay
三井住友銀行
  • 三井住友銀行アプリ
  • BankPay
ゆうちょ銀行
  • ゆうちょ通帳アプリ
  • SBI新生銀行
  • SBI新生銀行アプリ
京都銀行
  • 京銀アプリ
  • BankPay
広島銀行
  • こいPay
  • BankPay
住信SBIネット銀行
  • 住信SBIネット銀行アプリ
北海道銀行
  • どうぎんアプリ
  • BankPay
西日本シティ銀行
  • 西日本シティ銀行アプリ
  • BankPay
横浜銀行
  • はまPay
  • BankPay
鹿児島銀行
  • Payどん
北陸銀行
  • 北陸銀行ポータルアプリ
  • BankPay
みんなの銀行
  • みんなの銀行
熊本銀行
  • YOKA!Pay
  • BankPay
  • Wallet+
十八親和銀行
  • YOKA!Pay
  • BankPay
  • Wallet+
福岡銀行
  • YOKA!Pay
  • BankPay
  • Wallet+
阿波銀行
  • Wallet+
  • BankPay

ことら送金はあくまで金融サービスに過ぎず、実際に利用するにはお金を振り込む人と受け取る人のどちらも銀行系アプリやノンバンク系アプリが必要だからです。

例えばみずほ銀行を利用している人ならJ-CoinPay、三菱UFJ銀行であればBankPayといったように、利用先の金融機関に合わせて指定のアプリをインストールしておきましょう。

上記のアプリをインストールしたのち、口座番号と電話番号を紐づければいつでも手数料が無料でお金を振り込めます。

ただし24時間365日いつでも無料で振り込むには、自分が利用している金融機関がことら送金とモアタイムシステムの両方に加盟している必要があります。

ことら送金とモアタイムシステムの両方に加盟している銀行で利用できる

モアタイムシステムとことら送金を取り入れた金融機関の比較

手数料無料による24時間365日の即時振込は、ことら送金とモアタイムシステムの両方に加盟している銀行で利用できます。

ことら送金だけ加盟している銀行や、モアタイムシステムのみ参加している金融機関を利用すると、以下のように即時振込を実施できなかったり手数料が発生したりするからです。

参加しているサービス手数料無料24時間365日の即時振込
ことら送金のみ×
モアタイムシステムのみ×
ことら送金とモアタイムシステム

そのため利用先の銀行が、ことら送金とモアタイムシステムの両方に加盟していることを確認しておきましょう。

ことら送金の加盟状況を確認するには加盟事業者一覧から実施でき、モアタイムシステムの参加は全銀システム利用金融機関一覧で確かめられます。

どちらも加盟していれば、手数料が無料でいつでも家族や友人などへ即時振込が可能です。

さらに全銀ネットはサイバーセキュリティも強化しているため、ことら送金をはじめて利用する人でも安心して送金できます。

全銀ネットは全銀システムのサイバーセキュリティを強化しているので安全

全銀ネットにおけるサイバーセキュリティ対策強化の仕組み

全銀ネットは2019年11月からサイバーセキュリティの強化を実施しているため、全銀システムのモアタイムシステムはより安全に稼働しています。

2019年11月からは、収容能力・処理能力の増強に加え、サイバーセキュリティ対策の強化および電力消費量の削減を図った第7次システムが稼動している。

引用元: 内国為替制度-一般社団法人 全国銀行協会

サイバーセキュリティとは、インターネットを介したサイバー攻撃から個人や企業の情報端末およびシステムなどを保護することです。

サイバー攻撃は以下のように年々増えているものの、サイバーセキュリティを強化したモアタイムシステムであれば被害を未然に防いでくれます

観測した年サイバー攻撃の通信数
2015年632億パケット
2016年1,440億パケット
2017年1,559億パケット
2018年2,169億パケット
2019年3756億パケット
2020年5,705億パケット
2021年5,180億パケット
2022年5,226億パケット

参考元: 第2部情報通信分野の現状と課題-総務省

さらに銀行や信用金庫といったモアタイムシステムに参加している金融機関においても、サイバーセキュリティの強化を進めている状況です。

「サイバーセキュリティ経営宣言」に基づいて、継続的にサイバーセキュリティ対策を推進しています。

引用元: サイバーセキュリティ-みずほフィナンシャルグループ

したがって夜間や土日祝日にお金を振り込んでも、個人情報が漏洩したり不正利用されたりする心配はなく、誰もが安心してモアタイムシステムを活用できます。

続いてモアタイムシステムに参加している金融機関を一覧で紹介していますので、24時間365日の即時振込を実施したい人は確認しておいてください。

モアタイムシステムに参加している銀行の一覧!メガバンクや信用金庫も対応

モアタイムシステムを導入している銀行数

モアタイムシステムに参加している銀行の一覧は以下のようになっており、メガバンクはもちろん信用金庫や信用組合といった地域密着型の金融機関も対応しています。

参加している金融機関銀行名件数
都市銀行
  • みずほ銀行
  • 三菱UFJ銀行
  • 三井住友銀行
  • 埼玉りそな銀行
  • りそな銀行
5行
地方銀行
  • 横浜銀行
  • 七十七銀行
  • 千葉銀行
  • 福岡銀行
  • 足利銀行
  • 関西みらい銀行
  • 鹿児島銀行
  • 群馬銀行
  • 静岡銀行
  • 常陽銀行
  • 第四北越銀行
  • 中国銀行
  • 西日本シティ銀行
  • 広島銀行
  • きらぼし銀行
  • スルガ銀行など
61行
第二地方銀行
  • 愛媛銀行
  • 京葉銀行
  • 東京スター銀行など
36行
信託銀行
  • みずほ信託銀行
  • 三菱UFJ信託銀行
  • 三井住友信託銀行
  • オリックス銀行など
4行
ゆうちょ銀行
  • ゆうちょ銀行
1行
外国銀行
  • シティバンク、エヌ・エイ
  • JPモルガン・チェース銀行
  • 香港上海銀行など
3行
ネット銀行
  • 楽天銀行
  • PayPay銀行
  • auじぶん銀行
  • セブン銀行
  • 住信SBIネット銀行
  • ソニー銀行
  • みんなの銀行
  • SBI新生銀行
  • イオン銀行など
14行
信用金庫
  • 東京シティ信用金庫
  • 大阪シティ信用金庫など
254金庫
信用組合
  • 東京厚生信用組合
  • 大阪協栄信用組合など
138組合
労働金庫
  • 労働金庫連合会
  • 中央労働金庫など
14金庫
農業協同組合
  • 農林中央金庫
  • 東京中央農業協同組合など
540組合
漁業協同組合
  • 東日本信用漁業協同組合連合会
  • 西日本信用漁業協同組合連合会など
13組合
合計1,084行

さらに楽天銀行やPayPay銀行といったネットバンクも参加しているため、自宅のパソコンまたは外出先のスマホによる即時振込が可能です。

地方銀行においては国内にあるすべての店舗がモアタイムシステムに参加していることから、郊外地域に住んでいる人でも夜間や土日祝日にお金を振り込めます。

他にもゆうちょ銀行やJAバンク、ろうきんなどが参加しており、国内にある多くの金融機関で24時間365日の即時振込を実施できます。

以上のようにモアタイムシステムに参加している銀行はさまざまあるものの、2024年7月時点では1,000行以上もの金融機関が加盟している状況です。

2024年7月時点では合計1,084行もの金融機関が加盟している

金融機関における加盟数の推移

2024年7月時点でモアタイムシステムに加盟している金融機関は合計1,084行もあり、今後はさらに増える見込みです。

当初は参加しない銀行も、準備が整い次第、参加可能な仕組み。参加銀行は順次拡大する見込み。

引用元: 決済高度化に向けた全銀協の取組状況について-金融庁

実際にモアタイムシステムに加盟する銀行は以下のように増えており、稼働が開始した2018年に比べて2倍以上も参加しています。

年月日2018年2019年2025年
モアタイムシステムに参加している金融機関504行1,199行1,083行

参考元: 全銀ネット有識者会議事務局説明資料-全国銀行資金決済ネットワーク

加盟する金融機関が増えている理由は、多様な振込需要が挙げられ、モアタイムシステムに対応しないと他社に顧客が流れる懸念があるからです。

したがって現状はコアタイムシステムのみの銀行でも、今後はモアタイムシステムに加盟する可能性があります。

続いてコアタイムシステムのみの銀行を紹介していますので、モアタイムシステムに不参加の金融機関を知りたい人は確認しておいてください。

モアタイムシステムの注意点!不参加の銀行は即時振込が反映されない

モアタイムシステムに不参加の金融機関一覧

モアタイムシステムの注意点は不参加の金融機関があることであり、加盟していない銀行を利用すると夜間や土日祝日の即時振込が反映されません

以下は2024年9月時点におけるモアタイムシステムに加盟していない金融機関ですが、あおぞら銀行やローソン銀行などが不参加です。

金融機関不参加の銀行件数
普通銀行
  • あおぞら銀行
  • ローソン銀行
2行
信託銀行
  • 日本カストディ銀行
  • 新生信託銀行
  • ステート・ストリート信託銀行
  • SMBC信託銀行
  • 日証金信託銀行
  • 日本マスタートラスト信託銀行
  • ニューヨークメロン信託銀行
  • 農中信託銀行
  • 野村信託銀行
9行
外国銀行
  • ニューヨークメロン銀行
  • 中國銀行
  • ドイツ銀行など
51行
信用組合
  • 山形県医師信用組合
  • 三重県職員信用組合
  • 呉市職員信用組合
  • 福岡県庁信用組合
  • 福岡県医師信用組合
5行
漁業協同組合
  • 苫小牧漁業協同組合
  • 山形県漁業協同組合
  • 天草漁業協同組合など
69行

上記のような不参加の銀行がある理由は、モアタイムシステムの加盟が任意なことが挙げられ、経営方針の違いや資金の脆弱性などが要因として推察されます。

本取組みへの参加は、銀行ごとに任意。また、参加銀行は、新たに拡大する時間帯のうち、どの時間帯に「モアタイムシステム」に接続し、振込対応をするかも選択可能。

引用元: 全銀システムの稼動時間拡大に向けた検討状況について-全国銀行資金決済ネットワーク

そのため24時間365日の即時振込を希望している人は、上記の金融機関を利用しない方がよいでしょう。

モアタイムシステムの注意点は、メンテナンス中は即時振込を実施できないことも挙げられます。

金融機関のメンテナンス中は非対応になるため終了後に入金処理される

システムメンテナンスと即時振込における対応時間の仕組み

金融機関は定期的にシステムを整備する必要があるため、メンテナンス中は口座振込が非対応になったり、作業の終了後に入金処理されたりします。

したがってモアタイムシステムに対応している銀行口座でも、メンテナンス中は夜間や土日祝日の即時振込を実施できないのが難点です。

例えばメガバンクの中でも三菱UFJ銀行のみが、毎月第2土曜日の21:00~7:00はメンテナンス中のため、整備が終わるまでは即時振込を実施できません。

金融機関メンテナンスの時間帯
みずほ銀行不定期
三菱UFJ銀行
  • 不定期
  • 毎月第2土曜日21:00~7:00
三井住友銀行不定期
りそな銀行不定期
埼玉りそな銀行不定期

三菱UFJ銀行を利用している人は、メンテナンスの時期や時間帯を把握しておいた方がよいでしょう。

メンテナンスの時期を知らないと、支払期日までに入金処理が反映されず、思わぬ遅延につながる可能性があります。

他にもモアタイムシステムの参加は任意のため、接続予定時間を確認しておくことが大切です。

加盟銀行でも接続する曜日や時間は任意なので接続予定時間を確認しよう

システムへの接続時間と即時入金の仕組み

モアタイムシステムに接続する曜日や時間は金融機関ごとに任意で決められるため、加盟銀行でも即時振込できない時間帯があります

したがって夜間や土日祝日の振り込みが多い人は、前もって接続予定時間を確認しておくのが賢明です。

接続予定時間とはモアタイムシステムに接続している時間帯のことであり、金融機関ごとに異なります。

例えば三井住友銀行と武蔵野銀行は、日曜日の夜21時から月曜日の朝7時にかけてモアタイムシステムが休止しており、接続が再開するまでは即時振込を実施できません。

JAバンクや信用金庫なども接続予定時間を独自に決めており、時間帯によっては即時振込を実施できないのが実情です。

金融機関ごとの接続予定時間は、全銀ネットの公式サイトに記載されていますので、気になる人は確認しておきましょう。

即時振込を実施できないケースは他にもあり、不正送金を防ぐ一時的なシステムの停止が挙げられます。

不正送金対策として一時的に即時振込を停止しているケースもある

通常時と不正対策時における即時振込対応時間の比較

ネットバンクのauじぶん銀行は、過去に不正送金対策を実施しており、以下のような一時的に即時振込を停止するケースがありました。

平日15:20~翌日8:30および土・日・祝休日に受付した他行宛ての振込みは同日または翌日以降の平日金融機関営業日に処理します。

引用元: お知らせ-auじぶん銀行

現在は復旧していますが、今後も銀行を狙ったフィッシング詐欺が発生した場合は、一時的にモアタイムシステムの即時振込が停止されるかもしれません

不正送金対策の情報は、金融機関の公式サイトで把握できますので、実施された場合は確認した方がよいでしょう。

他にも全銀ネットのシステム更改が実施されると、モアタイムシステムの即時振込が停止されます。

8年ごとに実施するシステム更改の最中は他行宛の即時入金が停止される

システム更改と即時入金の仕組み

全銀ネットは8年ごとにシステム更改を実施するため、移行の最中は他行宛の即時入金がおよそ3日間にわたって停止されます。

システム更改とは、古くなったシステムを新しくバージョンアップしたり再構築したりすることです。

実際に2019年に実施されたシステム更改の際も、3日間は他行宛の即時入金を実施できませんでした

次回のシステム更改は2027年11月までに実施されますので、他行宛の即時入金が停止されることを覚えておいた方がよいでしょう。

現行システムの更改期限が2027年11月に到来する

引用元: 次期全銀システム基本方針-全国銀行資金決済ネットワーク

振り込みの停止期間は3日程度と短いものの、人によっては生活保護費が遅れたり仕送り受け取れなかったりなどで、生活に支障をきたす可能性があります。

他にも給与振込や総合振込といった振り込みは、システム更改の有無に関わらず、1年を通して即時入金の対象外です。

給与および賞与振込や総合振込は全ての金融機関で即時入金の対象外

給料日における入金時間の仕組み

法人向けの振込サービスにあたる、給与振込および賞与振込や総合振込などは、全ての金融機関で即時入金の対象外になります。

給与振込や総合振込等は、全ての金融機関が即時入金の対象外となります。

引用元: 24時間365日金融機関間の振込が即時入金可能となります-全国銀行資金決済ネットワーク

いずれの振込サービスも複数の送金データを一括で転送する必要があり、現状のモアタイムシステムには対応していないからです。

給与振込や総合振込などの送金データが反映されるのは、コアタイムシステムが稼働する平日の8時30分以降になります。

そのため給料や賞与をすぐに引き出したい場合でも、平日の午前8時30分以降まで待った方がよいでしょう。

給与や賞与といった振り込みであれば、労働基準法施行規則によって支給日の午前10時までに入金されるケースがほとんどです。

口座振込み等がされた賃金は、所定の賃金支払日の午前10時頃までに払出し又は払戻しが可能となっていること

引用元: 賃金の口座振込み等について-厚生労働省

さらにモアタイムシステムへ参加している銀行口座を保有していれば、支給された給与や賞与を24時間いつでも引き出せます。

ただしモアタイムシステムは取引金額に上限があるため、1億円といったお金を1回で引き出すことはできません。

振込金額の上限額が1回あたり1億円未満に設定されている

1回あたりの振り込みにおける上限金額の仕組み

モアタイムシステムの振込金額の上限は、1回あたり1億円未満に設定されています。

モアタイムシステム接続時間の場合、1回あたり上限金額が1億円未満となっていますのでご注意ください。

引用元: 資金移動からの他行宛1億円以上の当日振込についての留意事項-北洋銀行

そのため1億円以上を1回で振り込みたい場合は、コアタイムシステムが稼働している平日8:30〜15:30に実施した方がよいでしょう。

コアタイムシステムが稼働している時間帯であれば、振込金額に上限がないことから1回で1億円以上を送金できます。

しかし夜間や土日祝日にどうしても1億円以上を振り込みたい場合は、複数回に分けて1回あたりの金額を減らす必要があります。

例えば1億円の振り込みを2回に分ければ1回の送金が5000万円になるため、モアタイムシステムでも即時振込が可能です。

ただし夜間や土日祝日にお金を振り込むと、取引日にタイムラグが発生しやすいことから通帳の管理が難しくなります。

金融機関によっては通帳に記載される取引日に相違が発生する

通帳への記載日が遅れる金融機関の仕組み

金融機関によってモアタイムシステムの取引日が異なることから、振込日が同じでも通帳に記載される日付に相違が発生する場合があります。

例えばJAバンクは、入金日を取扱日としているため、通帳に記載される日付は実際に振り込んだ当日の年月日です。

一方で横浜銀行や徳島信用金庫などは、翌営業日の日付が取扱日として通帳に記載されます。

金融機関平日夜間や土日祝日における取引日の扱い
JAバンク入金日の当日
北海道銀行入金日の同日または翌営業日として選べる
横浜銀行原則は当日でも受取人の金融機関や口座によっては翌営業日
徳島信用金庫翌営業日

そのため複数の銀行口座を保有している人は、金融機関ごとの取引日を把握しておいた方がよいでしょう。

以上のようにモアタイムシステムの注意点はいくつかあるものの、今では多くの金融機関が加盟しています。

うまく活用すればネットバンクやネット通販などで便利に使えますので、気になる人はモアタイムシステムに対応している銀行口座を作ってみてください。